3つの声かけコツ
今回は、声かけを苦手にされている販売員へ向けた内容になります。
声かけは、これからご紹介する3つのコツをおさえてもらうだけで、ずいぶんと簡単にできるようになると思います。
それではさっそくみていきましょう。
声かけのコツ・・・1 お客様の知らない情報を伝えてあげる
1つ目の声かけのコツは、
「お客様の知らない情報を伝えてあげる意識をもつ」
というものです。
普通、販売員はお客様よりも詳しい商品情報を持っていますよね。
その商品情報を
「商品の秘密」
と考えるようにするのです。
すると、不思議とお客様へその商品の秘密を教えてあげたくなる気持ちが自然とわいてくるのです。
つまりは、その感情を使って声かけを積極的にしていけるようになるのです。
声かけを苦手にされている販売員は、お客様と楽しく仲良く会話をしなければならないと考えておられます。
そして、声をかけたら絶対に売らなければならないと勝手にプレッシャーも感じておられます。
しかしそれはすべて幻想です。
お客様とは楽しく仲良く会話をしなくても売れます。
たとえ今日売れなくても、名刺をお渡しして数日後、1ヶ月後に帰ってきてもらい、そこで売れれば良いのです。
つまりは、お客様に質の良い情報をわかりやすく、かつ誠実に伝えてあげることを意識することが声かけのコツなのです。
※商品知識に自信がもてない方は、下記リンクをご参考いただけたらと思います。
勉強方法を解説しております。
(リンク先にはアパレル業界の勉強のやり方が書かれていますが、おそらくあなたの業界にも当てはめられると思います)。
声かけのコツ・・・2 売場の「生」の情報を伝える
2つ目の声かけのコツは、
「売場の『生』の情報を伝える」
というものです。
売場の生の情報はお客様に喜ばれます。
例えば「ペットショップ」。
お客様が絶対に知ることができない売場の生の情報には、
「動物の普段の生活状況」
「性格」
などがあります。
扱っている動物たちの、
・今朝の情報
・今週の情報
・ケンカしたときの情報
・寝顔の情報
・好きな遊び道具と、そうでもない遊び道具の情報
・性格の情報
・甘え方の違いの情報
などなどたくさんありますね。
このような情報は、売場に長くいる販売員だからこそ知ることができます。
これも表現を変えると、
「販売員が秘密にしている情報」
とも言えますね。
もしお客様が入店したときに動物が寝ていなかったら、その動物の寝顔を観ることは絶対にできません。
いかがでしょうか。
こんな情報をお客様に伝えていげた方がいいでしょうか?
それとも伝える必要はないでしょうか?
間違いなく伝えてあげたほうが良いですよね。
売れる、売れないの前に、お客様にこのような情報を教えてあげて、参考にしてもらったほうがよりお買い物を楽しんでいただけます。
さらにもうひとつ例を挙げてみます。
例えば「アパレルショップ」ではどうでしょうか?
アパレル販売員なら開店前、閉店後、休憩時間などを利用して、バックヤードで商品を試着できます。
商品が実際の人の身体を通すとどんな見え方になるのかを自分で確認しておきます。
また、自分の体型と違う同僚や先輩などがいれば、その人たちと一緒に試着をするようにします。
そうやってお互いが「商品の見え方」という情報を共有しておきます。
するとどんな体型のお客様にもわかりやすく商品情報を伝えてあげることができるようになります。
販売員がたくさんの商品情報をもっていれば、お声かけに対して不安はなくなります。
なぜなら、お声かけをして商品の「秘密」を伝えていけば良いだけですから。
もしかしたら今までは見ればわかる商品情報をお客様に伝えていたかもしれません。
例えば太めのゆったりとしたパンツを手にされているお客様に、
「そのパンツはゆとりのあるモデルです。人気でカッコイイですよ♪」
のように。
しかし、しっかりと生の商品情報をもっていれば、
「このパンツは私たちスタッフの間で評判良いんですよ♪
はいたときに腰とおしりのラインがすっきりしていて、太いパンツなのに全体のシルエットがきれいなんです。
今までと違うゆったり感ですよ。
はいたときのシルエットがボテッとならないので大人っぽくなっます♪
私も試してみて『おっ、これいいじゃん♪』って思いました♪」。
売場の「生」の情報は武器になります。
もしこのような声かけをしてみて、お客様の反応が悪ければ逆に好都合です。
その理由はヒアリングに入っていけるからです。
「お客様はどんなパンツがお好きなんですか♪」
「お客様はあまり太いシルエットははかれないですか♪」。
どんどん質問することができます。
そしてその返答に対して、
「商品の秘密」
を話してあげれば、会話は途切れません。
このような準備をしていれば、声かけで不安にかられることはありません。
したがって、どんどん声かけができるようになり、それに合わせて販売実績も伸ばせるようになります。
※ちなみに、声かけをするときは、下記リンクに解説されている「あること」を守らなければ売れなくなってしまいますので、その点だけご注意ください。
※声かけはできているけど、販売実績が伸びていかない方は、下記リンクを参考にされてみてください。
→→ 「売れる販売員」と「売れない販売員」の違い
声かけのコツ・・・3 売るためには余計な情報を伝えない
「よし! お客様の知らない商品情報を伝えてあげよう」
と意識できるようになれば、声かけに対する苦手意識はなくなっていくでしょう。
しかし、声をかけたあとに1つだけ注意点があります。
それはお客様に伝える商品情報をコントロールしなければならない点です。
例えば、お客様に商品の秘密を教えてあげているとします。
それによって会話もはずんでいるとします。
こんなときは、お客様も質問をしてきます。
すると、うっかり他社の情報を伝えてしまうことがあります。
つまり自分に不利になる情報をついつい話してしまうのですね。
(要は自爆ですね)。
この自爆をしないようにならないと、販売成績は伸びていきません。
基本的に自分が不利になる商品情報をお客様に伝える必要はありません。
なぜなら、あなたの存在意義がなくなるからです。
「自分の不利な情報もきちんと公開するのは信頼関係において大事だ」
と思うのは、お客様と本気で長く付き合う気がないことの表れです。
例えば、恋愛で次のような男性がいたら女性はどう感じるでしょうか?
「僕の親友で幼なじみの○○君は、福山雅治に似ていて、しかも優しいんだよ」。
「僕はケチなところがある。キミにもデートで支払いを負担させるかもしれない」。
どちらも自分に不利な情報を誠実に伝えています。
しかし、これを狙っている女性に伝える意味はあるのでしょうか?
わざわざライバルと比較して選んでもらう必要はありません。
それよりも、
「ライバルも素晴らしい。だけど見なくていい。僕を見ておけばいい」
と伝えることのほうが大切です。
そうじゃないとあっさりその福山雅治さんに似た友人に女性の意識がうつっていってしまいます。(笑)
それに、女性がその男性の存在を知らなければ、女性の情報収集不足にもなります。
「僕がそばにいるよ!」でいいはずです。
それを伝えられないのなら、この男性は女性を幸せにする「覚悟」がない証拠になります。
そしてケチ情報。
自分の弱みがケチであると理解しているのでしょう。
それならば伝える必要はありません。
質問されたときに答えるだけで良いでしょう。
ただ、質問に答えるときは表現に気をつかわなければなりません。
自分の不利にならないように言葉をコントロールしなければなりません。
「ぼくは少しお金に堅実すぎるところがあるかな。ただ自分では他の男性と比べてしっかり管理できてると思ってるから気にしてないけど」。
「ケチ」と表現すると確実に自爆します。
しかし表現に気をつかうと、
「お金に厳しそうだけど、真面目なんだろう」
と感じてもらえるはずです。
私たちはお客様に商品の弱みについて話すときも、
「そのくらいの弱みなら……まぁいいか」
と感じてもらえるように、事前に表現を準備しておくことも大切です。
声をかけよう!
さて、いかがだったでしょうか。
声かけはとても簡単であることがご理解いただけたのではないでしょうか。
もしあなたが声かけを苦手にされているようでしたら、ぜひもう一度、売場の商品情報を集めてみてはいかがでしょうか。
お声かけに対する不安がとれ、積極的になれます。
私が訪問販売でトップ販売員だったときは、この声かけのコツを実践していました。
お客様が知らない商品情報を、
「この秘密をはやく教えてあげる♪」
と考えながら楽しく仕事をしていました。
ぜひ参考にしていただけたらと思います。
※実際に商品情報を集める作業は骨が折れます。
しかし今すぐできる作業でもあります。
できることからコツコツと商品情報を集めはじめてみてはいかがでしょうか。
以上、「声かけのコツ」でした。
ありがとうございました。
一二 三四朗(ヒフ ミシロウ)