クレジットカード勧誘営業のコツ
今回は、クレジットカードの獲り方(勧誘のコツ)について詳しく解説をしていきたいと思います。
私たち営業マンが自社のクレジットカードの契約をたくさん獲っていこうとしたら、まずはクレジットカードという道具のとらえ方がとても大切になります。
なぜなら、契約が獲れていない方の多くはクレジットカードにネガティブな印象を持っていることがほとんどだからです。
したがいまして、クレジットカードの契約をたくさん獲るためには、セールストークを改善する前に、クレジットカードに対するイメージをポジティブなものに変えておかれることがポイントになります。
1件の獲得が会社の大きな利益になる
※あなたがクレジットカード会社(JCB、アメリカン・エキスプレスなど)の営業マンならば、この項目は読み飛ばしてください。この項目は代理店の営業マンに向けた内容になっております。
さて、まずはお金の話から。
まず、あなたが自社のクレジットカードを1件獲得するとクレジットカード会社から(クレジットカードの裏面に記載のカード会社から)あなたの会社へ大きな金額が入金される仕組みになっています。
あなたのお客様が無事に審査を通過されると、数ヶ月後におそらく1件につき5,000円~20,000円前後の入金があります(具体的な金額についてはあなたの会社とクレジットカード会社の契約内容によるので不明ではありますが)。
ただ、これはものすごい利益になります。
もしあなたの会社が全国展開されているとしたら――仮に200店舗あるとします――そして1日に全店で100件獲得できたとします。
そして1件につき10,000円が入金されるとします。
さて、この場合の年間の利益はいくらになるでしょうか?
答えはなんと3億6,500万円。
1日100万円の利益(売上ではありません!)、1ヶ月で3,000万円、1年で3億6,500万円にもなります。
しかも、このクレッジットカードの獲得には経費がかかっていません。
例えば申込み用紙代、個人情報を入力する端末代、仕入れ代、カスタマーセンターの運営代……何一つ経費がかかっていません。
すべてクレジットカード会社が準備してくれています。
ちなみに少し話が変わりますが、ご参考までに次の数字をお伝えしておきたいと思います。
大手クレジットカード会社JCBが1年間で取扱う金額は約22兆円です(2015年の数字)。
売上は約2500億円。そのうち営業利益は約370億円。
売上2500億 - 営業利益370億 = 経費2130億。
単純にこの約2130億円の中のおそらく数千万円~数億円があなたの会社に入金されていることになります。
話を戻します。
このように、クレジットカードの契約を1件獲ることは素晴らしく会社の利益になっています。
このような理由があるので上司(経営陣)はものすごく熱心に獲得件数について追求をしてくるのですね。
つまり変な話ですが、本業の販売実績が悪くても、クレジットカードの獲得件数が多ければ上司から評価されてしまうのです。
クレジットカードに対するとらえ方をポジティブにする
私はクレジットカードの契約を簡単かつ大量に獲っていたことがあります(集客の多い土日祝は、本業の商品を売りながらクレジットカード契約を1日8件くらい獲っていました)。
すべてはクレジットカードに対するイメージをポジティブなものにするだけで契約実績は出せるようになります。
ちなみに、私は本気でクレジットカードはとても便利な道具だと思っています。ポジティブなイメージしかもっていません。
クレジットカードの契約を獲ることに苦戦されている営業マンは、クレジットカードに対して以下のようなネガティブなイメージをもっていることがとても多いです。
・借金
・人をダメにする
・年会費がかかる
このようなネガティブなイメージをもっているとお客様に弱々しいご提案しかできなくなります。
それだとやはりあっさりと断られてしまでしょう。
かしこい人たちは現金を使わず、クレジットカードを使っている
私はクレジットカードは本当に便利な道具だと思っています。
また、かしこいお客様のほとんどは現金を使わずにクレジットカードを使っておられます。その理由はポイントがもらえるからです。
例えばAさんが生活費に毎月20万円ほどかかっているとします。これを現金で処理すると手元から20万円が無くなって終わってしまうだけですね。
しかしBさんは同じ20万円の生活費をクレジットカードで処理しています。このとき1%のポイントがもらえたりするので2,000ポイントが貯まります(言い換えると2000円分の価値が返ってきたことになります)。
つまりBさんは年間24,000円分のポイントが貯まるのです。2年で48,000円。そんにも価値を取りもどすことに成功しているのです。
一方、Aさんが2年間で取りもどした価値は0円。
また、クレジットカードは支払い方を使い分ければ――無金利分割払いやボーナス月に処理するなど――現金を手元に残したまま買物ができてしまえます。
もちろん海外旅行の際も便利です。
さらに学生さんならネットショッピングが快適にできるようになります。
そして数枚のクレジットカードを持っておくと、急ぎで現金が必要になったときなどに借りられます。
例えば、もしあなたに次のことが同時に起こったらどうでしょうか?
・立て続けの冠婚葬祭。
・地域のイベントへの参加。
・テレビ、エアコン、冷蔵庫の同時故障。
・お子様の誕生日プレゼント。
・上司の出産祝い。
・親族の子どもの進学祝い。
・親戚の子どもたちへのお年玉。
・車のタイヤがパンク。
・車検
こんなときに1枚でも2枚でもクレジットカードが手元にあると便利です。
でもどうせそんなに使わないよ、だからポイント還元より年会費の方が高くつくじゃんとあなたは考えるかもしれません。
しかしお客様はそうは考えないかもしれません。
あなたは現金派でもお客様はクレジットカード派かもしれません。
お客様の金銭感覚をダメにしてしまうのでは……と心配する必要はない
若い営業マンやお金の管理をしっかりされているセールスウーマンの方々に多いですが、お客様の金銭感覚がダメになってしまうのでは……とお客様を気づかう方がおられます。
この気づかいがあると積極的な勧誘はできなくなるでしょう。
ちなみに、私なんかはお客様の金銭感覚がダメになるのかならないかはクレジットカードを持たないとわからないと考えております。
私は子どもに勧誘しているわけではないと考えていますので、お客様の事情を一切心配しておりません。
むしろそこを心配するのは失礼だと思っているタイプです。
余談ですが、もし仮にお客様がクレジットカードを持って借金癖がついてしまったとしても、最悪命までは無くなることはありません。
例えば債務整理や自己破産の手続きをすればもう一度やり直すことができます。※その人の信用は無くなりますが、そのあとも普段通りの生活は続けられます。自己破産したからといってほとんどの場合、その人は仕事を辞めるわけではないからです。
あと、都会で生活されている若い営業マンには少し想像しにくいかもしれませんが、田舎の18歳~の若者ですらローンを組んで車を買われています。
車がないと会社までの距離が遠すぎて通勤できないからです。
中古車なら50万~。新車なら100万~。皆借金を抱えて生活をしています。
でもそんなのは当たり前なわけでして、むしろこのような借金があることで金銭感覚が研ぎ澄まされたりしているのです。
つまりクレジットカード勧誘営業マンはお客様に明るく積極的にご提案をしていけば良いということになります。
契約を条件にお値引きしてあげる
※この方法は代理店の営業マンの獲り方になります。
私はクレジットカード契約をしてくれることを条件に商品を値引いていました。
おそらくこの作戦はあなたの職場でも使えると思います。
私はよくお客様に「クレジットカードの契約してくだされば商品をさらにお値引きさせていただきます。はじめの年会費も商品から引いておきます(←年会費があれば)」と伝えていました。
お客様にとっては悪くない話ではないでしょうか。
この獲り方はお客様に丁寧にクレジットカードのメリットを説明して納得してもらう……という手間が一切いりません。
自分の提案次第で簡単かつ大量に契約は獲れてしまいます。
家族や友人にお願いする
誰でも1度くらいは友人知人からクレジットカードの勧誘を受けたことがあるのではないでしょうか? (私はたくさんあります)。
「ごめん! カード作ってくれない! 今度ごはんおごるから♪ ね、お願い♪ 必要なければ10ヶ月以上経ったら解約しちゃってよ♪」。
こんな会話は全国の至るところで交わされているでしょう。
頼まれた側もしょうがないなと快諾しています。
これもメリットがああだこうだはほぼ関係のない獲り方になります。
もちろんお客様にも使えます。
お客様と仲良くなることに成功していれば、上記のようなノリ♪でご提案することで契約が獲れます。
私なんかよく次のような感じで何件も獲っていました。
「お客様。最後に3秒だけ営業させてください♪」。
「え、なに? まぁいいよ♪」
「すぐ終らせます♪ 実は弊社は1人でも多くのお客様と長くお付き合いしていきたいと考えております。そうやってこの厳し~い競争を闘わせていただいております♪ そこで弊社のクレジット機能付き会員カードを皆様にお作りいただいて、よりお客様のお買い物のお役に立ちたいと考えております。弊社のクレジットカードには○○や○○のメリットがあります♪ 案外悪くはないですよね♪ お客様! 私はこの契約が獲れると上司に評価されます! 『よし、よくやった!』と株を上げられます♪ ですからぜひお客様のお力で私を男にしてください! (笑) もちろん必要ないと判断されたら解約していただいて結構です! でもすぐに解約されるとクレジットカード会社への印象が悪いので10ヶ月くらいでご判断お願いします。 お客様♪ 最後にお客様のお力で私を男にしてください! お願いします♪」。
接客中にお客様と仲良くなっていて、なおかつ本気でお願いすれば、クレジットカードは持たないと決めているお客様以外は高い確率で契約してくださいました。
お客様は途中から笑い出し「まぁどこも大変だもんね♪ いいよ♪」とお付き合いいただけていました。
クレジットカードを使う使わないはお客様が決めることなので、私はただただ積極的に攻めただけでした。
とにかく契約書にお客様情報を記入してもらうことに全力で取り組む……それが私の仕事だと思ってやっていました。
自社クレジットカードのメリットを3つ説明できるようにしておこう
「ノリ♪」が通用しないお客様もたくさんおられます。
その場合はクレジットカードのメリットを3つほどピックアップして、わかりやすく説明できるようになっておくことが勧誘のコツになります。
ちなみに、サービスを説明するのではなく、メリットを説明するのがポイントです。
例えばサービスの説明とは、
・ポイントが1%つきます。
・手数料がかかりません。
・保証期間が延びます。
などです。
これを楽しそうに伝えたところでお客様には響かないことがほとんどです。
ではメリットを説明してみましょう。
「会計額に対してポイントが1%つきます。今日のお買物ですと○○円分がポイントとして返ってきます♪」。
または、
「うち以外でお買い物をされたときもポイントが1%つきます。例えばお客様が1ヶ月の生活費をこのカードで処理したとします。1ヶ月の支出が20万円だったとします。すると2,000円分のポイントがつきます。気がついたら1年後に24,000円もポイントが貯まることになります♪ 2年で48,000円です♪ それでまたお客様のお好きなお買物をしていただけるようになります♪」。
こんな感じでメリットを説明することが勧誘のコツになります。
このとき、セールストークはスラスラと話せるようにしておくことも大切です。
要はご提案をする側がクレジットカードのメリットをよく理解しておかなければならないということになります。
もう1枚持ってもらう
最後に私からあなたに質問します。
あなたはお客様に次のように言われてしまったら何と言って切り返しますか?
「私は航空会社のマイレージを貯めている。もうクレジットカードは必要ないんだ」。
いかがでしょうか?
ちなみに、私なら、
「それならもう1枚を何かのときのためにお持ちください♪ 予備カードの役割として♪」と攻めてみます。
または、
「おぉ! 旅行がお好きなんですね♪ ちなみになんですが、マイレージはどのくらいの頻度で使われていますか?」とヒアリングをしてみます。
本当にマイレージを楽しく利用されているのなら、もう1枚どうですかで攻めます。
でも実はそんなにマイレージを使っていないし、そもそも旅行に行く時間がない……などが判明すれば、弊社のクレジットカードをメインとしてご利用してみませんかとご提案していきます。
クレジットカード勧誘営業は、はじめはむずかしくて上手くいかない……というものではありません。
どちらかというと簡単です。
ちなみに日本人1人あたりのクレジットカード平均所有枚数は3.2枚です(JCB調査)。
2枚目3枚目4枚目をどんどんご提案していけば良いでしょう。
まとめると、クレジットカードは皆が持っている便利な道具であるということです。
もしあなたがクレジットカードに対してネガティブなイメージを持たれていれば、この記事をご参考いただき、ぜひポジティブなイメージへと変えていっていただけたら嬉しいです。
本当にたったそれだけで契約は簡単に獲れるようになると思います。
ぜひどんどん臆せずにクレジットカード契約のご提案をしていってくださればと思います。
陰ながらではございますが、あなたのますますのご活躍を心より応援しております。
一二 三四朗(ヒフ ミシロウ)