ファーストアプローチ(声かけ)が上手くなるには?

ファーストアプローチ(声かけ)が上手くなるには?

どうやったらファーストアプローチがうまくなるのでしょうか?
そしてどうやったらもっともっと売れるようになるのでしょうか?
今回はどんなファーストアプローチ(声かけ)をすると売れるようになるのかについて詳しくご紹介をしていこうと思います。

マネしないで! 売れなくなってしまうファーストアプローチ

実は、接客販売では売れなくなってしまうファーストアプローチというものがあります。売れるファーストアプローチを理解するためには、まずはこの「売れなくなってしまうファーストアプローチ」について知っておく必要があります。

では、その売れなくなってしまうファーストアプローチとはいったいどんなモノなのでしょうか? それは「商品の話題で声をかけてしまう」というものになります。お客様が手にとった商品(視線を送っている商品)のことを話題にしながらファーストアプローチをしてしまうと売れる確率が下がってしまうのです。
「えっ!? ダメなの?」
と思われるかもしれませんよね。

では、なぜ商品の話題で声をかけないほうがいいのかと言いますと「一貫性(いっかんせい)の原理」という心理法則をお客様に働かせないためです。※すみません。「一貫性の原理」についての詳しい解説はこちらに書いております。あとで目を通していただけたらと思います。
ただ、簡単に説明しておきますと、一貫性の原理とは「人は何かを他人に表明すると、それを貫き通そうとする心理」を言います。

この「一貫性の原理」がお客様の心理に働いてしまうと、お客様は声をかけてきた販売員から逃げ出したくなってしまうのです。販売員自らがお客様の心理を最悪な状態にしてしまうのです。

おそらくあなたもご経験があるはずです

例を挙げながらご説明します。

私が「カジュアルシャツでも買おうかな」とショップに入ったとします。そして商品に手を伸ばし物色しはじめました。このとき販売員の方が、私がたまたま手にしているシャツについて声をかけてきたとします(「それ先週入ってきたばかりなんですよ♪」のような)。
すると私は何か反応しなければならないと考え、とっさに「あっ……そ…そうなんですか。いいですね♪」とか「そうなんですか♪ だからデザインがイイんですね♪」のように好反応をしてしまうのです。その理由は、私は販売員の方に「そっけなくて、冷たい人」と思われたくないからです。

実は、このときの私の反応がポイントになります。私は好反応を演じてしまったために「この商品に関心があります」と販売員の方へ表明してしまったことになったのです。そうなると私は商品に関心があることを貫き通さなければならない心理が働き、「あっ! 今日はこの商品を買わないといけなくなるかもしれない……」「あぁ……この店で何かを買わないと悪いかな……」などのプレッシャーを感じはじめるようになるのですね(あなたもそんなご経験が1度はあるのではないでしょうか?)。
関心があって入店した → 店員さんへカジュアルシャツに関心があると表明した → それなら買うだろう・・・この流れは誰がどう考えても買物として一貫しています。

ちなみに、私たちは他人に対して「言ってることとやってることが違う人と思われたくない」という心理ももっています。要は一貫していたいのです。
つまり、その心理があるせいで私は「買わなければならない」というプレッシャーが自然と無意識の中に生まれてしまうわけです。
しかし私はまだそのシャツがほしいわけではありません。買う、買わないについては何も考えていません(入店して間もないですしね)。そんな情報不足の状態で買物はできません。というわけで「よく考えろ! 必要以上に買わないようにしなきゃ!」と無意識の中にある不快なプレッシャーを意識的にかき消そうとするわけです。そしてそんな自分を落ち着かせるために店を出たくなるわけですね。声をかけた販売員の方からすると、お客様がこんな心理状態のときに売るのはむずかしいでしょう。

これが売れないファーストアプローチになります。商品の話題でお客様に声をかけてしまうとお客様の心理をとてもきゅうくつにさせてしまうのです。

ファーストアプローチをしたときに、冷たい態度をとるお客様への対応方法

反対に、私がファーストアプローチを受けたときに販売員の方へ「冷たい態度」をとったとします。そのときの私はどんな心理になっているでしょうか?
「あぁ……。大丈夫です」。
今、見てるところだから声をかけてこないでよの冷たい態度です(現場でもこのような反応をされるお客様によく出会うと思います)。このときの私の心理状態は最悪といえます。その理由は、私は「あなたとは商品の話はしたくない」と表明したことになるからです。
その場合も一貫性の原理が働き、私はファーストアプローチをしてきた販売員の方を避けるようになります。気になる商品を見つけたとしても関心のないふりを貫きます(急に調子良く「すいませーん♪」と態度を変えれば「こいつは都合いいヤツだな」と思われるからです)。ということで「まぁ、今日はいいや」と店を出ます。または「さっきの販売員さん以外で誰かいないかな……?」と別の販売員の方を探しはじめます。ファーストアプローチをした販売員の方からすると売れなかったことになります。

このように、お客様が手にとった商品を話題にファーストアプローチをしてしまうとそのあとの接客がむずかしくなってしまいます。

解説! 売れるファーストアプローチのやり方

ファーストアプローチは、自分の人柄を知らせる時間です

さて、それではここからは、圧倒的に売る販売員の方々のファーストアプローチについてみていきましょう。

圧倒的に売る販売員のファーストアプローチは、商品の話題から入りません。そもそも彼らは、ファーストアプローチとは、「自分の人柄を知らせる時間」という考えをもっています。つまりファーストアプローチの目的はお客様の警戒心をほぐし、自分の人柄を知らせ、受け入れてもらうところにあるのですね。

商品を売るためには、なんといってもまずはお客様の警戒心をほぐさなければなりません。それができなければ、お客様にセールストークを素直に聞いてもらえません。警戒心がほぐれていないお客様にクロージングをかけてもうまくいきません。
圧倒的に売る販売員の方々がファーストアプローチで狙っているのはただ1つ。お客様に、
「この販売員さんだったら話してもいいかも♪」と感じてもらうことです。彼らは、お客様が、「販売員の人柄が良くないと、商品について本音で話そうとは思わない」と考えていることをよく理解されています。ですから、ファーストアプローチでは常に自分に関心をもたせることを意識されています。彼らは商品の話題については、お客様の警戒心がほぐれるまでは、極力控えようとされています。そうすることで、お客様に変な一貫性の原理が働かないようにしています。そして、お客様と打ち解けて、買う予定のなかったお客様だったのにも関わらず、セールストークを素直に聞いてもらえたために、見事売っていたりされるのです。

接客販売で圧倒的に売るためには、販売員に対して心を開いているお客様の人数が多くなければなりません。お客様の中に、どことなく安心感がわいていてこそ、お客様は商品を買おうと決断されるのです。

売れる声のかけ方

「商品の話題で声をかけちゃいけないことは理解できたけど、じゃあどんな声かけをすればいいの?」。

圧倒的に売るためのファーストアプローチでは、以下のように声かけをしていきます。なんてことはありません。とても普通の声かけです。

まずは、声をかける位置です。お客様から1m50cm~2mくらい離れたところから声をかけます(要は、近づき過ぎない距離です)。そのときは、かしこまり過ぎず、でもなれなれしくもならず、ほんの少し高めの明るい声で、リラックスしながら声をかけていきます(お客様を自分のお兄さんやお姉さん、弟や妹などをイメージされながらファーストアプローチをされても良いかもしれません。もちろん、なれなれしい態度や軽いトーンの声にならないように気をつけなければなりませんが)。
次に声をかけるフレーズです。ニコニコしながら、「ご検討中ですか♪」「いらっしゃいませ♪ 店内、何か気になるものございましたか♪」「何かわかりづらいことなどございませんか♪」などと声をかけていきます。このとき「メラビアンの法則」も意識しましょう(すみません。メラビアンの法則についての解説はこちらに書いています)。

この声かけのフレーズには、どこにも商品の話題がありません。お客様としては、「えっ! あぁ……。そうですねぇ……」のように、何か会話をしなければならない展開になります。そこでお客様が何か口にされると思いますので、それに対して、「聞いていますよ♪」という雰囲気を出して、相づちも打ち、あなたの人柄を伝えていきます。

ただ、ここでもしお客様から、「これの色違いありますか?」と質問されたときは、そのまま商品の話をしてもかまいません。
しかし、質問に答えたあとはすぐに、「この系統のお色がお好きなのですか♪」と、その商品の話題からいったん離れ、雑談風にお客様情報をヒアリングするようにします。ここでも、とにかくあなたの人柄を伝える意識を最優先にすることが大切になります。

もしお客様がファーストアプローチ(声かけ)に反応してこなければ、そもそも警戒心が高い状態か、買う気のないお客様になります。見極めは必要ですが、基本的にすぐに離れましょう。そして別のお客様に声をかけにいきます。

大切なことですので繰り返しますが、圧倒的に売る販売員の方のファーストアプローチの目的は、「自分の人柄をお客様に知らせ、受け入れてもらう」です(明るさや真面目さなど)。お客様に自分の人柄を受け入れてもらえれば、「この店員さんとなら話してもいいかも♪」と思ってもらえ、お客様の緊張や警戒心が安心感へと変わっていき、いつしか心に秘めていたことも勝手に話してくれるようになります。お客様が自分のことを話しはじめたら、あとはセールストークをしっかりと伝えていけば、すんなりと売れるようになります。

いや……実際の売場では冷たい態度をとるお客様ばかりなんですが……

実際、売場では、ファーストアプローチをすると冷たい態度をとるお客様が多かったりします。「いや、別に……」と反応が悪いことばかりです。

この場合は、実は、お店に入ってくるお客様の警戒心は弱いでご紹介させてもらったとおりなのですが、すぐに離れずにニコニコしながらもう一回声をかけていきます。最低1回は再度声をかけましょう。
このとき、「お客様にうっとうしがられるのがストレス……」とは考えないでください。そうではなく、再度声かけをすることで、お客様情報を集めることができるのです。要は見極め作業です。

再度、声をかけることでわかるお客様情報とは、
・そのお客様は本当にあなたと話したくないのか?
・警戒心から、ただ反射的に一旦冷たい態度をとっただけなのか?
・本当にひとりで商品を選びたいのか?
・ただの時間つぶしで来店されたのか?
このようなことがわかるので、どう接客をしていけばいいかがイメージもしやすくなるのです。ですから、ここで販売員が逃げ腰になってはいけません。接客が終わってしまいますし、お客様情報もわからずじまいになってしまいます。

ただ、さすがに2回、3回と声かけをしてしまうと、「この販売員はしつこくてうっとうしい! もう話さない!」のような、強力な一貫性の原理を働かせてしまうことになるので気をつけなければなりません。この見極め作業の結果、「離れよう」と判断された場合は、あとでもう1回接客ができるように、「何かございましたら、私やスタッフにお声かけください♪」と言ってから離れるようにします。ここではお客様に絶対に「はい」と言わせなければなりません。お客様は、「はい」と言ったことで一貫性の原理に縛られるからです。これで「さっきの販売員さん以外で誰かいないかな」という心理状態にはなりません。むしろ、
「さっきの販売員さんはどこにいるかな……」となります。

お客様は必ず何か理由があって入店されています。私たちが積極性を失ってしまってはいけません。もし私たちが積極性を失ってしまえば、そのお客様はライバル店に流れ、そこでゴリゴリの販売員の方に捕まってお金を使うはめになってしまいます。その危機意識もファーストアプローチの上達には欠かせません。

来客数の少ない売場でのファーストアプローチ

来客数が少ない売場こそ、高いセールススキルが必要になります。なぜなら売り逃せないからです。売り逃してしまったら次のお客様がいつ来店されるのか……そんな環境だからです。したがいまして、来客数が少ない売場ではお客様と人間関係を築く能力が求められます。それはもう売るとか、売れないとかではなく、「時間があるときには遊びに来てね。私はいつでもいるよ♪」というような安心感をお客様に与えられるかがポイントになります。

このような環境では、逆にめちゃくちゃリラックスした雰囲気を出しておきます。徹底的にお客様に心地のよい時間と空間を提供するようにします。BGMの音量、選曲のセンス、照明の強弱、商品展示の見せ方などを最高の状態にしておきます。そして店内の掃除も完璧にしておきます。清潔感のある売場にしておくことが大切です。

販売員の方は、基本的に仕入れや、マーケティング(集客施策)については何もできない立場のはずです(例えば「来月は1,000万円の広告費をかけて集客増を目指そう!」という権限はないはずです)。つまり今の売場環境、今の商品で闘っていかなければなりません。ファーストアプローチでは、もう商品のことは忘れて、どんどん世間話を絡めながらアプローチしていきましょう。お客様と仲良くなることに意識を集中させていきましょう。そこでもし売れそうなら絶対に売る。価格を下げてもいいなら価格を下げてでも売る(販促品を大量につけてあげるなども効果的です)。検討段階であったなら、名刺をお渡ししてお客様に自分の名前を覚えてもらう。そして、新商品の入荷情報を中心に、また来店したくなる情報を伝えて退店していただきます。

圧倒的に売る販売員のファーストアプローチ(声かけ)

実は、圧倒的に売る販売員の方はファーストアプローチ(声かけ)を文字通り、「ファースト」とは考えておられません。声かけ作業はファーストではなく、「セカンドアプローチ」と考えておられます。

彼らのファーストアプローチとは、「自分がお客様の視界に入った瞬間」と考えています。彼らはお客様が、「販売員の立ち位置と、その人柄の雰囲気も無意識にチェックしている」ということをよく知っておられます。したがいまして、彼らはお客様に声をかけられる前に、「あの店員さんとなら話してもいいかも♪」と選ばれるように意識をしているのです(いつもニコニコしながら掃除をしてみたり、お客様の視界にギリギリ入りそうなポジションに立っていたり)。

このような考えがあるので、圧倒的に売る販売員は自宅での準備段階から意識が違います。
1.ヘアスタイルや身だしなみをさわやかにしておく(お客様の気分を暗くさせるので、黒の服は絶対に着ない)。
2.売場では猫背にならない(やる気がなさそう、自信がなさそうと見られるから。背筋は伸ばす)。
3.作業動作は速め(キビキビ感が大切。なぜなら普通のスピードで作業しているとやる気がなさそうに見えてしまうから)。
4.声は大きく。同時に温かみのある声色にする(冷たそう、やる気がなさそうと思われないため。プライベートと同じトーンの声は出さない)。
5.ニコニコしておく。自然な雰囲気で(「なんだか嫌な感じ……」と思われるので作り笑いはしない)。
6.「私はお客様の味方です」と、念じながら売場に立つ。

圧倒的に売る販売員の方々は、お客様を待っている段階からこのような意識を持たれています。お客様を自分にひき込んで売る気マンマンです。お客様から、「この販売員さんとなら話してもいいかも♪」と感じてもらえさえすれば、あとは純粋にセールストークの質が勝負になります。

圧倒的に売る販売員のファーストアプローチの秘密

「この販売員さんとなら話してもいいかも♪」。
こう思ってもらえる人数が多い販売員は圧倒的に売ります。もう本当にこれにつきます。
ご紹介してきたとおり、売れるファーストアプローチは、
自分の姿をお客様に見られたときに「あの販売員さんは声をかけやすそう。話しやすそう」と、ふと思わせること。
自分の人柄を受け入れてもらうこと。
・実際に「この販売員さんとならこのまま話してもいいな♪」と感じてもらうこと。
この3つがそろっていることです。

ただ、もしかしたらあなたは、「お客様に自分の人柄を伝える会話なんてできないんだけど……」と思われているかもしれません。「商品以外の話題でどうやってお客様と会話するのよ?」とも思われているかもしれません。
その場合は、あなたの本当の課題はファーストアプローチではなく、「売れる会話術」になります。
もし、あなたがお客様との会話に苦手意識をもたれているのなら、売れてしまう接客会話術という販売テクニックをご紹介しておりますので、そちらをご参考にされてみてください。

すみません、長くなりました(ここまで目を通してくださり、本当にありがとうございます)。以上が売れるファーストアプローチの専門知識になります。

ぜひ、このような専門知識をうまく使っていただき、ますますファーストアプローチに磨きをかけていってくだされば嬉しいです。
あなたの誠実さ、さわやかさ、明るさ、商品に詳しそう、楽しそう、落ち着く、ドキドキする、元気が出る……などのお人柄は、リラックスしながら声をかければ自然とお客様に伝わります。
ぜひあなたの目標とされる売上数字をどんどん達成していってくださればと思います。陰ながらではございますが、あなたのますますのご活躍を心より応援しております。

以上、「ファーストアプローチ(声かけ)が上手くなるには?」でした。

ありがとうございました。

一二 三四朗(ヒフ ミシロウ)

追記
最後に、もっと販売実績を出したいと真剣にお考えの方へ、セールスの専門書をご紹介して終わりにしたいと思います。

もしあなたが自分の思うような販売実績が出せていないのならば、それは確実にセールスの専門知識不足が原因です。すぐにお客様心理を動かせる知識を習得されてください。

ぜひこの大変なコロナ禍ではありますが、空いた時間を思う存分に自分の未来のために使ってみられてはいかがでしょうか。

→→ クロージングの心理技術21

■本の内容
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→→ クロージングの心理技術21

PS: 私の感想もこちらに書いております。
ご参考までに。

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