不安をあおって嫌われ、そして売り逃す販売員

販売員の基本| 不安をあおって買わせようとしない

販売員はお客様に嫌われたら終わりです。売れません。
これをご存知ない販売員、意識されていない販売員の方は、がんばって仕事に取り組まれていても販売実績が伸びていきません。
お客様に嫌われないセールスコミュニケーションをとることは販売員の基本中の基本になります。

ちなみに、販売員がお客様に嫌われてしまう原因はいくつかあります。
今回はその原因のひとつ「お客様の不安をあおって買わせようとする販売員」についてご紹介していきたいと思います。
彼らは販売実績が欲しいので、その願望があせりとなり、セールスコミュニケーションが気がつかないうちに「攻撃的な雰囲気」になってしまっておられます。

買わせたい……。それがすべてお客様にバレてる

販売員の攻撃的な雰囲気とは、「言葉遣いが荒くなる」「態度が横暴になる」「カッカッする」ということではありません。
それよりも「何とか買わせたい……(ゴクリ)」「売ってやる!」というような気持ちが透けてしまっている販売員のことです。販売員の売りたい下心がお客様にバレバレの状態のことですね。

その攻撃的な雰囲気の中でも、お客様が特にうっとうしいと感じてしまうのが「不安をあおってくる」というものです(私は不安をあおってくる販売員に出会うと、本当にげんなりします)。

では、なぜお客様の不安をあおると嫌われてしまうのか?
まず1番の理由はタイミングが悪いからです。
例えば不安をあおってお客様に嫌われてしまう販売員のほとんどが、お客様と感情的なコミュニケーションがとれていない段階で不安をあおってこられます。
よって、お客様に「なんだこの販売員は! 買わせたいのか……」と感づかれてしまうのです。
あまりセールスがうまくない販売員は、お客様の不安をあおれば成約できると勘違いされていたりされます(ゆえに販売実績が悪かったりされます)。

※不安をあおるとは、例えば「最後の1つですよ」とプレッシャーをかけることです(このセールストークが悪いのではありません。このように心理的な揺さぶりをかける言葉を出すタイミングが早すぎるのですね)。

あまりセールスがうまくない販売員の方々のセールストークを体験してみるとよく理解できるのですが、その表情、声のトーン、使うフレーズなどが「ほら、不安になるでしょ? その不安から解消されたければ私のサービスを買った方がいいですよ」と無言のプレッシャーを与えてしまっています。お客様にとってはコントロールされている気分になるのです。
それゆえにお客様から嫌われてしまい、売り逃すことになってしまうのですね。
「買わせたい気持ち」がすべてお客様に伝わってしまっているのですね。もちろんその販売員の方は下心を隠しているつもりなのですが……。そしてお客様に嫌われていることに気がつけないままだったりもされます。

私たち販売員が「自分はお客様に嫌われているかどうか」を知るには、お客様を観察しているとすぐに分かります。
お客様が販売員に対して嫌悪感をもちはじめたら、まず、必ず声が小さくなっていきます。そしてさっきまで合っていた目線が合わなくなっていきます。腕組みをする回数が増えます。笑顔が消えます。
したがいまして私たち販売員はお客様のその仕草を察知することで「あっ! ミスった」と気がつけるようにならなければなりません。

不安をあおって成約できる販売員もいる

一方、お客様の不安をあおって成約できる販売員もおられます。
このような優秀な販売員は、必ずお客様と感情的なコミュニケーションがとれています。そしてタイミング良く不安をあおります。やたらめったら不安をあおるようなセールスコミュニケーションはとられません。
したがいまして、お客様もその販売員に不安をあおられても「たしかにそうだよなぁ……」と、理解してくださるのですね。そして、その不安をどう解消しようかと積極的に考えてくれるようになります。
お客様に一切嫌われていないので、スムーズにセールスが続いていきます。お客様の表情や声の大きさ、目線が合う回数に変化はありません。
お客様と販売員が感情的なコミュニケーションをとれていれば、販売員が不安をあおっても成約できてしまうのです。

販売員の基本| お客様は販売員の態度に敏感

お客様は私たち販売員の表情、声の出し方、使用する単語などに敏感です。
したがいまして、目の前のお客様のタイプに合ったセールスコミュニケーションがとれなければ、一瞬で気分を害されてしまいます。とてもデリケートな存在なのですね。

では、なぜお客様の気分がいとも簡単に変わってしまうのか?
それは信頼関係がない間柄だからです。
お客様にとって販売員は身内でもありません。友人でもありません。それゆえに、信頼できそうな人柄を感じられなければ、警戒心が発生してしまうのですね(とても敏感なのです)。
そんな心理状況のときに販売員が不安をあおってきたらお客様はどう感じるのかは、どなたでも分かるのではないでしょうか。

このようなことを意識されずに、お客様に自分の人柄を受け入れてもらっていないときに買わせようとして不安をあおっても嫌われるだけなのですね。
よって成約できず、売り逃してしまうことになります。

売りたいという下心は隠す

私たち販売員は売ることが仕事です。
よって、「売りたい!」という願望を抱えています。

しかし、これが表面化してしまってはいけません。よって、その下心はお客様とお別れするまでは隠し続けなければなりません。(笑)
そのためにはしっかりとメラビアンの法則を理解しておきます。
表情、声、使用する単語。
お客様の気分が悪くならないように、信頼されるように自分自身をコントロールしていく必要があります。
そしてセールスコミュニケーションの早い段階で不安をあおるような言動を避けましょう。
お客様と感情的に良いコミュニケーションがとれていれば、お客様は私たち販売員を信頼してくださるようになります(リアクション=楽しそうな声、視線を合わせてくれるなどが必ず良くなります)。
お客様がその状態に入ったことを確認できれば、クロージングで不安をあおったとしてもお客様は気分を害されることはほぼありません。
そうやって下心を隠してコミュニケーションをとらなければなりません。

お客様を観察しよう

最後に、ぜひお客様を観察するクセをもたれてみてください。

観察箇所は次の点です。

表情
声のトーン
仕草(腕組みをしているか。視線を合わせてくれるか。私たち販売員に対して背を向け気味かなど)。

マニアックな販売員の方は、瞳孔の開閉、呼吸の速度なども観察されながらお客様とセールスコミュニケーションをとられています。
そうやってお客様の心理状態を読み取り、それに沿ったセールスコミュニケーションをたくみに展開されていかれます。

話がガラっと変わりますが、実は最近、私自身が不安をあおってくる販売員の方に出会いました。久しぶりにそんなセールスコミュニケーションをとられる販売員の方に出会い、とても不快になりながら帰宅しました。客側になって改めてこのセールスコミュニケーションのダメさを実感できました。

この記事があなたの販売活動の刺激になれたら嬉しいです。
あなたのますますのご活躍を陰ながらではございますが、心より応援しております。

以上、「不安をあおって嫌われ、そして売り逃す販売員」でした。
一二 三四朗(ヒフ ミシロウ)でした。
ありがとうございました。