初頭効果とは?
初頭効果とは、
「人は他人の印象をどうやって決定しているのか?」
について研究された心理法則です。
その研究結果により、次のようなことが判明しました。
「人はポジティブな情報に先に触れるか、ネガティブな情報に先に触れるかで、その対象の印象が決まる」。
少しイメージしにくいと思いますので、下に具体例を挙げて説明します。
次の2人の紹介文を読んで、あなたなりに評価していただけますでしょうか?
・暴力的で冷たい性格のAさんは24歳の男性です。彼は販売成績優秀者で来年アメリカ留学が決定しています。その際、彼女も一緒に渡米されるそうです。
・温かい性格で家族を大切にしているBさんは24歳の男性です。彼は販売成績優秀者で来年アメリカ留学が決定しています。その際、彼女も一緒に渡米されるそうです。
第一印象で嫌われてはいけない
上記の文章を読まれたあと、あなたはAさんに対し嫌悪感をもたれたのではないでしょうか?
おそらくAさんに対してとても悪い印象を抱かれたはずです。
では、なぜAさんに対して悪い印象を抱いてしまうのでしょうか?
その理由は文章の導入部分、
「暴力的で冷たい性格のAさん……」
のネガティブなインパクトが強かったからです。
そして、そのあとの情報があまり頭に入ってこなくなり、結果としてはじめの部分の印象が余韻として残り、悪い印象を抱いてしまうのです。
反対にBさんはどうでしょうか?
おそらく文章の導入部分で温かいポジティブな気分にさせられたので、それが余韻として残り、好印象を抱かれたのではないでしょうか。
このように、始めにどんな情報に触れるのかによって印象は決まってしまうのですね。
つまり、この初頭効果を販売に活かすと、なぜ私たち販売員が第一印象に気を遣わなければならないのかが理解できると思います。
セールスには次の法則があります。
「人は嫌いな人、嫌いな会社からめったに契約しない」。
私たち販売員がお客様に与える第一印象が悪いと、
「なんだかイヤな販売員だな」
とお客様の中にネガティブな感情がわいてきてしまいます。
その状況では丁寧にセールストーク伝えたとしても純粋に理解してもらえなくなります。
そしてお客様と別れたあとも、悪い印象が余韻として残るので、
「あの人から買うのはやめとこう」
と高確率で判断されてしまうのです。
セールストークの構成も、導入部分はお客様の利益になることを伝えよう
筆者は初頭効果をとても意識しています。
それは第一印象に限らずセールストークの、導入部分にも取り入れています。
初めて接客するお客様なら、セールストークの導入部分に、
「お客様の利益」
を伝えるようにしています。
なぜならお客様はそのインパクトが気になり、話しをより聞こうとしてくださるようになるからです。
そしてセールストークが終わったあとも、その利益の部分が余韻として残り、お客様に記憶されるからです。
初頭効果は販売現場で(特に新規開拓で)本当に役に立つ心理学になります。
ぜひあなたの販売活動にもこれを反映させていただけたらと思います。
以上、「初頭効果」でした。
ありがとうございました。
一二 三四朗(ヒフ ミシロウ)
追記
最後に私のひとり言を少し。
私はこの仕事をはじめてから5年間くらいはまあ売れない営業マンだった。
たまたま父親の知り合いに優秀な社長がいて、その人にセールスは訓練しないと実績なんて出せないよとアドバイスをもらえたのをきっかけに売れるようになっていった。
(あと、当時私に暴言を毎日吐いていた憎たらしい上司を黙らせたかったのもあってそれで奮起したのもある。今となっては良い思い出だ。笑)。
その社長にアドバイスをもらってから私ははじめて真剣にセールスに取り組んでいった。
そしてセールスで売り続けるようになるにはコミュニケーション能力の向上、商品知識のアップデート、セールストークのアップデート、清潔感のアップデートなど様々な内容が必要であると学んでいったが、一番大切なのがセールストークにいかに心理学を組み込めているかどうかだった。
セールストークに心理学が組み込まれているとお客様の反応がほぼ同じになる。それはつまりセールスがただの作業になることを意味している。
とても楽に仕事ができる。そして売れる。
ちなみに心理学が組み込まれていないセールストークでどんなに明るくさわやかにお客様とコミュニケーションをとっても売り逃しばかりになるが、多少ぶっきらぼうでも心理学が組み込まれたセールストークを何とか聞いてもらえれば売れてしまう。
これは私の部下だった明るい人たちぶっきらぼうな人たちでたくさん確認してきた事実だ。
もしこれを読んでくださっているあなたが今よりもっと実績を出したいとお考えならば次の私の経験談が何か参考になるかもしれない。