心理的リアクタンスを理解して、商談を有利にする| 営業心理学

心理的リアクタンス

心理的リアクタンスとは次のような心理法則を言います。

「人は他者から命令や強要、圧力などをかけられて自由を脅かされると、反発心がわいてきてその自由を回復しようとする」。

私たちはこの心理を学生時代にすでに経験しています。例えば、学生時代に親や先生から「勉強しなさい!」と強要された経験は誰でももっていると思います。このとき、自我が芽生えていれば「反発してやろう!」と反応されていたのではないでしょうか? (笑) 要は「あえて勉強をしないぞ!」と遊びに出かけたり、DVDを観たり、音楽を聴いたり、友達と電話やメールをしたりされていませんでしたか?

「勉強をする、しない」は私たちの自由です。それを親や先生から強要され、自由を脅されたので、その自由を回復するために上記のように反応していたのですね。このような反応をしてしまうことを心理的リアクタンスと呼ぶのですね。

さて、ここで少し視点を変えてみましょう。

次は親や先生の立場に立ってみます。このときの親や先生のように、他人を説得しようと試みたが逆の結果になってしまうことを「ブーメラン効果」と呼びます(あなたは商談でブーメラン効果を発生させておられませんか?)。

私たち人間は、なぜ説得を受けると反発心がわいてきてしまうのか? 今回はそのあたりの内容を詳しく解説していきたいと思います。




心理的リアクタンス| オレに指図するな!

私たちは皆、自由に生きています。法律にのっとりながら自由に生きています。また、そう生きたいとも願っています。したがいまして、もし私たちが商談中にお客様を意図的に誘導していることがバレたら大変なことになります。なぜなら「買う買わないの判断は私の自由だ! 何コントロールしようとしてるんだ!」と、必ず感じるようになるからです。

そして、その判断の自由を回復するために、あえて「契約しない」という反抗行動に出られます。もちろん誘導のほかにも、私たちが商品説明をしながら「契約したほうがいい。買ったほうがいい」という雰囲気を作ってしまってもいけません。これが判断の自由を脅かす圧力になるからです。よって「判断は私の自由だ!」と、検討を招いてしまうことになります。




心理的リアクタンスを回避するテクニック

心理的リアクタンスを理解すると、私たち営業・セールスマンは、お客様にそれが働かないように営業トークを用意しておかなければならないことが見えてきます。そして、もし心理的リアクタンスを働かせてしまう営業トークを知らず知らずに続けてしまったら、大量の検討の山を築いてしまうことになることも見えてきます。

それでは、どうしたら心理的リアクタンスを回避できるようになるのでしょうか? そのためには次の2つのポイントがあります。

  1. お客様と信頼関係を築く
  2. お客様が契約されなかったときの「恐怖」を爽やかにアピールする

1の「お客様と信頼関係を築く」は簡単ですね。お客様に嘘をつかなければいいです。そして、メラビアンの法則を利用して、常に表情、声、言葉を統一させておきます。これで嘘をつかなそうな雰囲気が出せると思います。

2の「お客様が契約されなかったときの『恐怖』を爽やかにアピールする」とは、次のような話し方をしていくことで可能になります。例えば、冒頭で「勉強しなさい!」とだけ伝えていた親の場合なら、子どもにこのように話しかけていきます。

「勉強しなくていいの? って、まぁそれはお前の自由だけど。ただひとつだけ質問。お前は将来結婚するんだよね? (子ども「そうだ!」)。そうだよね。それなら大好きな人と一緒に生活していく20代、30代のとき――まぁ、かわいい子ども産まれて人生で一番幸せでお金が必要なときに――そんなときにお前がお金を稼げてなくて苦しい状況だったらどうだろう? 少しだけイメージしてみて。勉強をさぼってると、そこにつながるから気をつけておいてよ。同年代のみんなはこっそりきちんと勉強してるからね」というようなメッセージを真剣にでも爽やかに伝えていきます(実際は社会人になったあとのご本人の努力次第なので、そんなことはありませんが)。

もし「勉強しなさい!」の一言で子供が勉強するのなら、その2者間の信頼関係は高いはずです(または相当押さえつけているか)。ですが、現実の子どもは親の思い通りに行動なんてしてくれません。そこで「恐怖」をポンっと爽やかに伝えてあげるのですね。すると、爽やかに言われることによって自由を脅されている印象を受けないくなります。よって理性的にメッセージを受けとめてもらいやすくなります。理性的にメッセージを受けとめてもらえたなら、その恐怖について冷静に考えることができます。この場合なら、例えばお風呂に入りながら「……。たしかに勉強はしておいた方がいいな」と考えることができます(あなたの表現する恐怖がえげつない場合は、それでお客様が気分を悪くしてしまいます。それはそれで望まない結果になってしまいます。また、あなたの表現する恐怖が『それは本当に嫌だな。たしかに損だ!』と感じさせることができない弱いものであれば、やはり望む行動をとってもらえないでしょう)。




心理的リアクタンス| 売る意識は下げない

私たちは自由を脅かされると、それを守ろうと反発します。ですから、お客様を意図的にコントロールしないようにしましょう。

ただし、ここで注意点です。お客様に心理的リアクタンスを働かせないようにするために「売り込まない」という意識をもたれないでください。必ず「売る!」という意識は維持されてください。なぜなら、売る意識がなければ成約を獲ることができないからです。そこだけはお間違いのないように営業トークを用意されておかれると良いでしょう。

ぜひこの記事をきっかけに、あなたの営業トークやセールスコミュニケーションがお客様に「心理的リアクタンス」を働かせていないかどうかを再確認されてみてください。普段何気なく使っている言葉とその話し方がお客様の自由を奪うような印象を与えていれば、それが原因で獲りこぼしてしまうことになるからです。

この記事があなたの刺激になりましたら嬉しく思います。あなたのますますのご活躍を陰ながらではありますが心より応援しております。

以上、「心理的リアクタンス| 営業心理学」でした。

一二 三四朗(ヒフ ミシロウ)でした。

ありがとうございました。




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