評価が上がる営業日報、週報、月次報告書の書き方

営業日報、週報、月次報告書の書き方

まずは、次の報告書に目を通していただけますでしょうか。

A.「今週は再訪問したとき留守が多かった。再訪問をするときは時間帯を考えないといけない」。

B.「来月はもっと積極的に声かけをしなければならない」。

C.「もっとお客様の話を聞いたあとに、商品の提案をしなければ成約につながらないと感じた」。

実は、これらの報告書の書き方はあまり良くありません。これでは上司に評価をされません。

その理由は、これらの報告書には、

「なぜそう考えたのか? その理由は?」。

と質問をしなければ読む側が理解できない状態だからです。つまり、根拠が書かれていないわけです。

例えば、この報告書を読んだ上司は「なぜそれがあなたの問題点なのか? 今後どう改善するつもりか?」と、疑問がわかずにはいられなくなります(私が営業部のマネージャーだったとき、このような報告書をよく受け取っていました)。

このような根拠が書かれていない報告書を提出してしまう営業マンや販売員の方はとても多くいらっしゃいます。

では、なぜ多くの営業マンや販売員の方は、上記A~Cのような報告書を書いてしまうのでしょうか。

その理由は、ほとんどの営業マンや販売員の方が営業日報、週報、月次報告書を書く目的を理解していないところにあります。

「この面倒くさい作業に一体何の意味があるのか?」。

いつも本音ではそう感じているわけです。したがいまして、最小限の文章量で結果のみに焦点を当てて書くこととなり、上記のような報告書に仕上がるようになるわけです。

評価を上げる報告書を書くために、まずは上司の事情を知る

さて、ではどうやって報告書を書けば評価を上げることができるようになるのでしょうか。

そのためには「上司の事情を知り、理解する」という視点をもつことがポイントとなります。

おそらくあなたの上司はいつも「営業実績を出せ! 売れ!」と口うるさいと予想されますが、いかがでしょうか?

ちなみに、上司がそんな心理状態になっているのには理由があります。

それは、私たちの上司は、さらにその上から「全体の営業実績を出せ!」とプレッシャーをかけられているからです。

全体の営業実績を出すためには、上司1人が1ヶ月間せっせとお客様との商談を成功させていても達成させることができない数字です。

よって部下に対して「営業実績を出せ! 売ってこい!」と声を荒げざるを得なくなるわけです(ときには部下に命令を下し、徹底的にコントロールをしてきます)。

では、なぜそんなにもコントロールをしてくるのでしょうか?

それは部下が(AさんBさんCさん……などが)手を抜いて営業活動をしていたら……もしくはモチベーションを下げたまま活動していたら……もしくは営業スキルが低いまま活動していたら……そうです、全体目標を達成できなくなるからです。つまり「あなたの活躍こそが上司の営業実績であり、評価の対象」なのです。

したがいまして、もし全体目標を達成できなければ、その上司は評価を下げることになってしまいます。彼らも必死なわけです。※もちろん必死だからといって汚い言葉を部下に発していいわけではありませんが。

基本的に上司にはこのような事情があります。営業マンや販売員の方は、このような上司の事情をよく理解をしておくことで、評価が上がる報告書を書けるようになります。なぜなら、上司の事情を理解できると報告書を書くときの視点が変わるからです。

結果 → 理由 → 改善策 → 方法論の順で報告書を書く

日報、週報、月次報告書などは、次のような順番で書いていくと評価を上げることができるようになります。

1.あなたの営業実績。 (結果)

2.なぜその数字になったのか? (理由)

3.(結果が目標に対して未達成なら)その数字を伸ばす方法は? (目標を達成していれば)その数字を継続する方法は? または増やす方法は? (改善策)

4.その改善策に対して、具体的にどんな行動をとっていくのか? (方法論)

※あなたの会社に報告書用のフォーマットがあれば、この順序についてはあくまでご参考までに。

この1~4についてイメージをしていただけるように、下記に例をご用意しました。
※どなたでもイメージしていただけるように、設定を簡単にしています。

設定:「もしも中学生が、テスト結果を報告書にまとめ、親に提出するなら」

【例】
親: 「数学で95点以上とれ!」

〔報告書〕
■日付: A月 第A週。
■科目: 数学
■実績: 83点
■所感:目標95点に対し、結果は83点。←結果

今回は設問7に20分前後も時間を費やしてしまった。よって設問8の途中で時間切れに。また、冒頭の計算問題にも2つ計算ミスがあった。←理由

今後は設問7の項目を10分以内で解けるようにする。また、設問7を途中で切り上げ、設問8や設問9に取りかかっていれば結果を91点まで伸ばせた可能性があった。したがって、次回からは常に冷静にテストに臨む。そして時間配分および解ける問題から手を付ける意識をもつ。←改善策

今月は設問7に関する基礎問題集を1冊、応用問題集を1冊勉強する。問題集に取り組むときは、冷静になり、時間配分および解ける問題から手をつける。←方法論

以上。

報告書がこのように書かれていれば、上司は「早く設問7を克服できるように」と一言で仕事を終わらせることができます。そして数日後、「設問7は克服できたか?」と声をかけるだけで済みます。もしそこで部下が取り組み状況を即答できたら上司はどう思うでしょうか?

「お! この人は成長しそうだ」。

おそらく安心感がわいてくるのではないでしょうか。

そして次のテストで設問7の内容を見事克服できていれば評価せざるを得なくなります。

すると、上司にとっても2つほど利益が生まれます。1つは仕事が速く処理できて、時間をほかに使えること。2つ目は、別の部下が似たような問題にぶつかったときに解決策を提示してあげられること。

この2つの利益は、この報告書を書いた人がきっかけになります。つまり全体目標を達成させるノウハウが集まり、共有できる環境になりました。

さて、ここでもう一度、冒頭の評価を下げるA~Cの報告書を読み返してみましょう。

あの報告書の書き方が、なぜ評価を下げてしまうのかをよく理解できると思います。

A.「今週は再訪問したとき留守が多かった。再訪問をするときは時間帯を考えないといけない」。

B.「来月はもっと積極的に声かけをしなければならないと感じた」。

C.「もっとお客様の話を聞いたあと、商品の提案をしなければ成約につながらないと感じた」。

いかがでしょうか?

どんな目標のどんな結果に対して振り返っているのかがわかりません。もしあなたがこのような報告書を受け取ったら不安にならないでしょうか? (私は不安でした)。

繰り返しになりますが、これらは何について振り返っているのかがさっぱりわかりません。すると上司は「明日もまた同じことを繰り返すのでは……」と不安にならざるを得ません。

では、A~Cの報告書は、どう書けば評価が上がるものになっていたのでしょうか?

Cを例に挙げてみていきましょう。

評価が上がる報告書の書き方

C: 「もっとお客様の話を聞いたあと、商品の提案をしなければ成約につながらないと感じた」。

先ほどご説明させてもらったとおり、Cさんはどの数字を伸ばしたいのかがわかりません。

例えばCさんに週間契約数10件という目標があったとします。そしてCさんの営業結果は2件だったとします。さらに他のメンバーの営業結果は7件、8件だったとします。

このようなとき、上司が考えることは「なぜCさんも7件前後の営業結果じゃないのか?」です。

Cさんの報告書はお客様とのコミュニケーションについての反省が記されています。

しかし上司はそこが気になるわけではありません。

「Cさんはコミュニケーション以外にも重大な改善点があるはずだ。まず声かけ数はほかのメンバーと同じくらいできているのか? 休憩に入るタイミングを間違えていないか? モチベーションはどうか? 実際お客様とどんなコミュニケーションをとっているのか? それを今後どう変えていくつもりだろうか?」。

もしここでCさんがあまり深く考えずに、同じように営業活動を続けたらどうなるでしょうか?

上司はCさんのセールスコミュニケーションについて根掘り葉掘り質問して、指導しなければならなくなります。最悪の場合、強制的に指示通りに活動させることになります。

反対に、Cさんの営業結果が7件だった場合はどうでしょうか?

この場合は目標の10件に届いていませんが、平均の7件という営業結果です。

すると上司は、

「7件の結果が出ている。セールスコミュニケーションは良いのだろう。したがって報告書に記載されているコミュニケーションが問題ではないはずだ。それよりもエリア選定はどうか? アポイント入れ方は効率的だろうか? 目標達成させる執着心はどうか?」。

このように考えるでしょう。

つまりCさんの報告書は、上司の視点とあまりにかけ離れていることが記載されているので評価を下げてしまうことになっていたのです。

したがいまして、営業マンや販売員が評価を上げる報告書を書くためには、上司の事情を意識して、それをベースに結果 → 理由 → 改善策 → 方法論で仕上げていくことです。

自分の営業結果を分析する

ちなみに、日報、週報、月次報告書を書くためには、自分の営業結果の分析ができていなければなりません。しかし、この分析作業を苦手にされている方が結構多いようです。

そこで、ここからは営業結果の分析のやり方についてご紹介していきたいと思います。

実は、自分の営業結果を分析するやり方はすごく簡単です。その数字になった原因については適当にひらめきに任せるだけで良いからです。

「?? どういうこと?」

とつっこまれそうなので、詳しくご説明します。

まず「なんでこの営業結果になったのだろう? 理由は何だろう?」と自問するところからはじまるのはみんな同じです。

でも実は、その答えについては、自分のひらめきに任せれば良いのです。なぜひらめきに任せればよいのかというと、その結果になった原因に正解がないからです。正解がないというか、本当の原因はわからないことのほうが多いからです。

例えば、あなたが成約した商談について次のように自己分析したとします。

「私は積極的にクロージングをかけた。だから成約になった」。

しかし、実際のお客様はこう感じていたかもしれません。

「最初から買う気だった。あの店員は本当にうっとうしかった」。

本当の理由なんて分からないことのほうが多いのですね。

ということで、自分の営業結果を分析するときは、適当なひらめきに任せるようにします(その代わり頭をフル回転させて、たくさんのひらめくようにします)。

例えばこんな感じです。

・10月の第3週、集客が悪かった原因は……雪が降らなかったからだ(って、まだ10月だけどね……)。

適当過ぎますよね?

でも、これでOKです。この突拍子もない内容をひらめけることのほうが大切です。この適当さは、とても役に立つときがきます。

ほかにも売れた原因、売れなかった原因は下記のようなものがあります。

・クロージングでしっかりと押せたからだ。
・お客様が皆、外出していたからだ。
・お客様の気分が下がる言葉を使ったからだ。

・契約を獲ろうとあせりすぎたからだ。
・髪を切って第一印象が悪くなったからだ。
・口が臭かったからだ。

・お客さんは夫婦げんかをしたあとだったからだ。
・水曜日だからだ。
・給料日前だったからだ。

・お客様が我が社のファンだったからだ。
・新しいCMが評判だったからだ。
・他社のイベントコンパニオンに美人がいたからだ。

・昨日奥さんに小遣いをもらって気分良く仕事ができたからだ。
・同僚がやる気をなくしていたからだ。
・トップ営業に教えてもらったとおりできたからだ。
・お客様が理解できないほどレベルの高い商品だからだ。

こんな感じで、あなたのひらめきに任せてポンポンポンと適当に原因を思い浮かべてみます。

すると、いくら適当といえども現場を思い浮かべながらひらめこうとしますので、それっぽい内容が見つかったりします。

これを繰り返していると、「あっ、これが原因だな……」とか「改善点はこれだな」など、素早くそれらしい原因にたどり着けるようになります。いつしか営業結果の分析がうまくなっていたりします。これを報告書に盛り込むと内容を濃くすることができるようになります。

「週末、A社が抽選会イベントを実施。それに伴ってイベントコンパニオン2名が入店されていた。その内1人が容姿端麗な女性で、男性客が引きつけられていた。さらに、普段A社商品を勧奨することの少ない男性の代理店社員様3名が、A社商品を積極的に勧奨されている姿を確認。その理由は、成約後にお客様を抽選会に誘導できるからである。そのときが唯一イベントコンパニオンに接触できる機会でもある。A社の成約数は先週の2倍。来週も同じイベントコンパニオンで抽選会が実施される。対策として、全メンバーでお客様へのアプローチをいつもより速くしていく。そうやって男性代理理店社員様の接客数を減らしていくことを意識する」。

余談 報告書の文章の書き方

「主語と述語を近づける」「短く書く」「1つの文章に1つの内容を」

報告書の文章の書き方についても悩まれている方は多いようです。

報告書の文章の書き方は以下3つを守ると良いでしょう。

・主語と述語を近づける。
・短く書く
・1つの文章に1つの内容を。

例1:
個人目標: 2件。
全体目標: 10件。

文章: 本日の営業結果は1件。お客様は40代男性(A社ユーザー)。商品比較にて成約。本日の接客数は7名。残りの6名は検討段階。6名は情報収集目的で来店されていた。
お客様は「来月のボーナスが出たら購入するつもりだ」「今は自分に合う商品を探している」などと述べられていた。
6名全員が新規だった。ゆえに6名へ名刺を渡している。
今月の新規客への名刺配布数は31枚。今月中のリピート数は7名。その7名中6名は成約済み。

例2:
本日、成約1件。お客様は40代男性。他社の価格に納得ができず来店。品質および価格にご納得いただけた。
本日の接客数7名。そのうち自社ユーザー数3名。検討段階は3名。この3名は価格について情報収集されていた。3件とも家族会議後に再来店の予定。
電話番号を入手できたので、○日までに再来店が無ければ営業電話の予定。

※これはあくまで例です。わざとたくさんの文章を並べております。

報告書の文章の書き方は、とにかく主語と述語を近づける。1文を短くする。1つの文章に1つの内容を。これらを守ることです。

すると他人は書いてある内容を素早く理解できます。

特に大切なことは、主語と述語を近づけることです。

■主語と述語が近づいているとこうなります。
(主語・・・ 述語・・・

私は京都を愛している。旅館で出される料理が美しいからだ。

■主語と述語を離してみます。

・日本食の伝統美を研究する私は、毎回どの旅館でも出されるなんてことない朝食のお漬け物にまで主張しないながらも美しさを表現している京都という特別な土地柄を愛さずにはいられない。

どちらも京都を愛しています。

上の文章で充分伝わります。

でも、下のように主語と述語が離れていると、何が言いたいのか理解するまで時間がかかります。それがストレスになります。

したがいまして、報告書を書くときは主語と述語を近づけるようにします。

ちなみに、世の中の文章には2つの目的があります。

1.情報を伝える。
2.芸術作品として楽しませる。

報告書の目的は「情報を伝える」です。

間違っても小説に影響を受け、芸術作品風の文章を書いてはいけません。読まされる側はただただストレスでしかありません。

ぜひ参考にされてみてくだされば嬉しいです。

以上になります。

もしかしたら、この記事はあなたの会社が求めている報告書の書き方に対応できていないかもしれません。

なぜなら、会社や上司によって報告書の書き方に対する考えが違うからです。

ぜひ、あなたの会社や上司が求めている視点に沿いながら、報告書を仕上げていっていただけたらと思います。

ちなみに、余談ですが、私の昔の上司は「自己分析」を求めてきました。それを報告するように厳しく言われた経験があります。

反対に、私が営業マネージャーだったときは「営業結果」「その理由」を簡単に書いてもらうだけにしていました。

細かいことは部下だった方々と昼食をとっているときやお酒の席で直接本音をヒアリングをして ”アドバイス” として指導していました。

いろいろな環境があると思います。

あなたのますますのご活躍を陰ながらではございますが、心より応援しております。

一二 三四朗(ヒフ ミシロウ)でした。
ありがとうございました。

追記

最後に、営業・販売職員の売る力が高まる書籍をご紹介して終わろうと思います。
もし、あなたが「もっと売れるようになりたい!」のような向上心をお持ちでしたら、ぜひ参考にされてみてくださいね。
あなたのますますのご活躍を心から応援しております。

→→ クロージングの心理技術21

こちらが売る力を高めてくれるセールスの専門書籍です。
この1冊の中に、お客様の心を商品に惹きつけることができる「消費者心理学」がぎっしりと解説されています。
この仕事はいかにお客様心理を動かせるかが勝負の分かれ目になりますよね。
トップセールスマンたちは、皆さんそれがうまいです(中にはセールスを学ばれずに自然とそれができている人もいらっしゃいます)。
この本はかなり面白いと思いますので、ぜひ参考になさってみてください。

※下のリンクに、私と購入された方々の感想がありますので、そちらも参考にされてみてください。

→→ 『クロージングの心理技術21』 買う前に読んでおきたい購入者の感想

ちなみに、こちらの本は90日以内でしたら返品OKという信じられないシステムがついていますので、安心して試していただけるようになっております。

それでは失礼します。
ありがとうございました。