ネガティブ思考の原因
なぜ私たちはネガティブ思考をしてしまうのでしょうか?
その原因を知らなければネガティブ思考をポジティブ思考へと変えることはできません。
結論からいうと、私たちがネガティブ思考をしてしまう原因は、「劣等感(れっとうかん)」を持っているからです。
劣等感を持っているためにネガティブ思考に苦しめられているのです。
ちなみに、劣等感とは「自分が他人より劣っていると感じている心理状態」をいいます。
人は劣等感を持つと不安に支配されるようになります。
自分には価値がないのでは……。
自分の経済力は友人たちの中では一番低い……。
私は未婚だ……。
このように、なにかしらの不安が頭の中を支配するようになります。
ですからそんな心理状態のときに思い浮かんでくる思考はネガティブにならざるを得なくなるわけです。
劣等感 特徴
・他人と張り合う
劣等感を持っている人は他人と張り合おうとします。
なぜなら自分が他人に勝っていると確認したいからです(自分が他人に勝っていれば安心できます)。
また、その張り合い方も特徴的です。
まず爽やかさがありません。
切磋琢磨をしてお互いが向上していく……のではなく、妙に絡み付いてくるような「俺のほうがすごい。お前はダメだな」のような張り合い方をしてしまいます。
・価値観の変化
劣等感を持っている人は価値観が変わりはじめます。
まず他人を評価しはじめるようになります。
同時に自分自身をも評価しはじめるようになります。
いわゆる「優劣」をつけはじめてしまうのです。
これがとてもやっかいです。
例えば、
・実績の高い低いで優劣をつけ、人を評価する。
・年収の高い低いで優劣をつけ、人を評価する。
・権力の有り無しで優劣をつけ、人を評価する。
このような価値観が頭の中にいすわり、ネガティブ思考を加速させていきます。
ネガティブ思考をポジティブ思考にする方法
ネガティブ思考をポジティブ思考に変えるためには、諸悪の根源である劣等感を捨てなければなりません。
ただやっかいなことに、劣等感を捨てる作業はとても難しいといわれています。
その理由は、その人が劣等感を持つようになったきっかけにあります。
人が劣等感を持つようになるきっかけには「その人にとって大切な方が持っていた価値基準を超えられない」があるからです。
ちょっと理解しにくいと思いますので、下の例文を読んでみていただけますでしょうか。
【例】
1.「販売実績の無い営業マンは価値がない」と尊敬していた先輩が口にしていた。
↓
↓
自分に販売実績が無かった。
↓
「自分には価値がない」と感じはじめる。
↓
劣等感が生まれる。すると自分と他人の販売実績を比較しはじめ、優劣をつけはじめる。
2.「年収の低い男性と結婚してはいけないよ」と慕っている母親の言葉を信じて育った娘。
↓
↓
年収の低い男性を好きになる。このとき間違った人を好きになってしまったと悩む。
↓
劣等感が生まれる。なぜか他人に彼氏を紹介するのが恥ずかしくなる。自分の彼氏を他人と比較し優劣をつけはじめる。
3.「マスコミ業界は優秀な人たちの多い」と認めている人が報道番組やバラエティ番組の情報を真に受ける(例えば「勝ち組、負け組み」「婚カツ特集」など)。
↓
↓
自分が負け組みに所属していると知る。
↓
劣等感が生まれる。自分と他人を「結婚しているしていない」などで優劣をつけはじめる。
4.大好きな彼女が「結婚相手には年収○○万円はあってほしい」と知った男性。
↓
↓
その額を何年経っても越えられなかった。
↓
劣等感が生まれる。彼女と別れたあとも、女性と付き合うのが不安になり、なおかつ年収の高低で男の価値を評価しはじめる。
このように、人が劣等感を持つようになるきっかけのほとんどは、その人にとって大切な方が持っていた価値基準を超えられなかったことが関係しているのです。
私の体験談で恐れ入りますが、私が売れない営業マンだったときに尊敬していた先輩はいつも「売れない営業マンは価値がない」と口にしていました。
だから私は自分には価値がないと感じはじめるようになっていきました。
先輩の価値基準をこえられなかったからです。
こうやって生まれてしまった劣等感ですが、尊敬している人の言葉を捨てるのはとても難しいだろうというのが簡単に想像できるのではないでしょうか。
私の頭の中には「売れない営業マンは価値がない」という言葉が、あなたがスマホでいつも大切に使っているアプリのようにしっかりとインストールされている状態です。
スマホなら「アンインストール」をタップすれば一瞬でそのアプリを削除できますが、私の頭の中はそう簡単にいきません。
尊敬している人の言葉なので、中々アンインストールができないのです。
自分の経験をポジティブ思考に説明する
劣等感を持つきっかけになった大切な方の価値基準をアンインストールするためには、その価値基準に対して反論してみるといいでしょう。
私は先輩の言葉に反論することできれいさっぱり忘れることができるようになりました。
大切な方が持っていた価値基準をアンインストールできると不安が消えていきます。
次に、自分の今までの経験をポジティブに説明する時間をつくります。この自分の経験をポジティブに説明するができるようになると、ネガティブ思考はポジティブ思考へと変わっていきます。
例えば家にあるA4のコピー用紙や裏紙などを使って、自分が経験してきた仕事、部活、勉強の成績などを思い返し、それらについてポジティブに説明してみるのです(ぜひ本当に騙されたと思ってトライしていただけたらと思います)。
この作業もはじめは大変です。
なぜなら自分についてポジティブに説明するためには自分の経験(過去)をポジティブな視点でとらえ直さなければならないからです。
そしてこのときに使う単語もポジティブなものを選び使わなければなりません。
この作業を続けているとポジティブ思考とはどういうものかがわかってきます。
例えば私が売れない営業マンを続けていたときは、「今俺は売れないやり方を学んでいたんだな。この経験は俺が先輩になったときに『何をすると売れないのか』を後輩たちに伝えてあげられるぞ。良い経験だ」という感じに現実をとらえ、そう表現していました(実際にマネージャーになったときに本当に役立ちました)。
大切な方の価値基準をアンインストール + 自分をポジティブに説明する
もし、私が「売れない営業マンに価値はない」という言葉をアンインストールしていなければどうなっているでしょうか? おそらく「良い経験中だ」と考えられたとしても、それは一時的なもので、結局時間が経つと「売れない営業マンには価値がない」が頭の中を支配してしまうようになるでしょう。
そして不安が頭を支配し始め「俺はダメな営業マンだ」とネガティブ思考も復活をするでしょう。
したがいまして、ぜひあなたもあなたの大切な方の価値基準をご自分の頭の中からアンインストールすることにぜひ集中してほしいと思います(あなたをネガティブ思考にさせているあなたの頭の中にインストールされている大切な方の価値基準はなんでしょうか? それは誰の言葉でしょうか? 両親? 祖父母? 兄妹? 有名人? 親友? 学校の先生? 部活のコーチ? 会社の上司?)。
あなたの劣等感を小さな小さな火にしてしまいましょう。
そして自分の過去だけでなく未来への展望もポジティブな視点で説明する時間を持ちましょう。
そうやってひとつひとつ変わる努力をしていけば、早ければ1ヶ月後にはネガティブ思考がポジティブ思考へと変わっているでしょう。
あなたのますますのご活躍を心から応援しております。
ありがとうございました。
一二 三四朗(ヒフ ミシロウ)