評価が上がる報告書の具体的な書き方
前回の「評価が上がる日報、週報、月次報告書の書き方(1)」の続きになります。まだ読まれていない方は、まずはそちらを一読いただけたらと思います。
さて、今回は評価が上がる報告書の具体的な書き方のコツをご紹介していきたいと思います。
前回のCさんの報告書を例にしていきます。
C:「もっとお客様の話を聞いたあと、商品の提案をしなければ成約につながらないと感じた」。
この日報、週報の書き方では評価をさげてしまいます。なぜなら、論理的ではないからです。
Cさんにも目標が設定されています。ここではCさんの週間目標が契約10件だったとします。そして、Cさんの結果は2件だったとします。さらに他のメンバーの営業結果は7件、8件だったとします。
このようなとき、上司が考えることは「なぜCさんも7件前後の営業結果じゃないのか?」です。Cさんの報告書にはお客様とのコミュニケーションについての反省が記されています。しかし上司は、「Cさんはコミュニケーション以外にも改善点があるはずだ。声かけ数は平均に足りているのか? 休憩時間のとり方が間違っているのではないか? 実際どんなコミュニケーションをとっているのか? 今後、それをどう変えるつもりだろうか?」と、コミュニケーション以外の点が気になるのですね。もしそこでCさんがあまり深く考えずに、また同じように営業活動を続けたらどうなるでしょうか? 上司はCさんのセールスコミュニケーションについて根掘り葉掘り質問して、指導しなければならなくなります。状況によっては強制的に改善方法とその実践を命令してくるようになります。
反対に、Cさんの営業結果が7件だったらどうでしょうか? Cさんは「もっとお客様の話を聞いたあと、商品の提案をしなければ成約につながらないと感じた」と報告しています。残念ながら営業結果は目標の10件に届いていません。しかし平均営業実績の7件の契約を獲ってきています。
すると上司は、「コミュニケーションは良いのだろう。したがって報告書に記載されているコミュニケーションが問題ではないはずだ。それよりもアプローチ数や商談の時間帯、アポイントの取り方など『戦略』を変えてみたほうがいいのでは? あとモチベーションはどうだろう?」と考えるようになります。つまり、Cさんの報告書には営業結果に対する理由が記載されていないので、論理的な報告書になっていないのです。それゆえに上司がいろいろと質問してくるようになるのですね。
したがいまして、営業マン(販売員)が評価を上げる報告書を書くためには、自分の目標と営業結果に焦点を当て、論理的に書いていくことが必要になります。その書き方は結果 → 理由 → 改善策 → 方法論で書くことです。
あなたへの広告
営業結果を分析する| 報告書の書き方のコツ
日報、週報、月次報告書を書くためには、自分の営業結果を分析しなければなりません。しかし、この自分の営業結果を分析することを苦手とされている営業マンは多いようです。そこで、評価が上がる報告書の書き方のコツになる、営業結果の分析のやり方についてご紹介していきたいと思います。
実は自分の営業結果を分析することはすごく簡単です。なぜなら、その営業結果になった原因を「適当にひらめきに任せて考える」だけだからです。本当に適当です。あなたのひらめきに任せて適当に原因になっていそうなことを思い浮かべればいいのですね(すぐできそうですよね?)。
まずは「なんでこの営業結果になった? 理由は何だろう?」と自問を開始します。そして、その回答をひらめきに任せていきます。では、なぜ適当に思い浮かべるだけでいいのか? その理由ですが、それは正解がないからです。正解がないというか、本当の答えは分からないことのほうが多いからです。
例えば、あなたが「私は積極的にクロージングをかけた。だから成約になった」と、売れた原因について考えていたとします。しかし、実際のお客様はこう感じていたかもしれません。「最初から買う気だった。あの店員はマジうっとうしかった」。本当の理由なんて分からないことのほうが多いのですね。ということは、自分の営業結果を分析するときは、適当なひらめきに任せるのです(その代わり頭をフル回転させて、たくさんの思いつきを出していきます)。例えばこんな感じです。
・集客が悪かった原因は……まだ10月の第3週だけど、雪が降らなかったからだ(←適当過ぎますよね? でも、これでOKです。ひらめくことが大切です。この適当さが大切になってきます)。
売れた原因は……。または売れなかった原因は……。
- クロージングでしっかりと押せたからだ。
- お客様が皆、外出していたからだ。
- お客様の気分が下がる言葉を使ったからだ。
- 契約を獲ろうとあせりすぎたからだ。
- 髪を切って第一印象が悪くなったからだ。
- 水曜日だからだ。
- 給料日前だったからだ。
- お客様が我が社のファンだったからだ。
- 新しいCMが評判だったからだ。
- 他社のイベントコンパニオンに美人がいたからだ。
- 昨日奥さんに小遣いをもらって気分良く仕事ができたからだ。
- 同僚がやる気をなくしていたからだ。
こんな感じで、あなたのひらめきに任せてポンポンポンと適当に原因を思い浮かべてみます。すると、いくら適当といえども現場を思い浮かべながらひらめこうとしますので、それっぽい内容が見つかったりするのですね。これを繰り返していると、いつの間にか「あっ、これがこの営業結果になった原因だな……」と、速くたどり着けるようになれます。そうなってくると自分の営業結果の分析がうまくなっていきます。
このなると、報告書に盛り込む内容が濃くなってきます。そして、論理的な構成で報告書を書くことができるようになります。
「週末、A社にイベントコンパニオンが入店。その中に容姿端麗な女性がおり、男性客が引きつけられていた。また、それがきっかけとなり普段A社商品を勧奨しない男性の代理店社員様3名がA社を勧奨し成約。成約後はイベントコンパニオンによる抽選が催されており、唯一接触できる。A社の成約数は先週の2倍。来週も同イベントコンパニオンは入店予定。対策として、アプローチを速くすることでお客を獲られないように行動する」。
報告書の文章の書き方
報告書の文章の書き方は簡単です。
- 主語と述語を近づける。
- 短く書く
だけです。
あとはポイントとして「私は上司に何を伝えたいのか?」「上司に10秒以内で理解してもらうためにはどう書くか」と意識されるだけです。
例1:
個人目標: 2件。
全体目標: 10件。
文章: 本日の営業結果は1件。お客様は40代男性(A社ユーザー)。商品比較にて成約。本日の接客数は7名。残りの6名は検討段階。6名は情報収集目的で来店されていた。「来月のボーナスが出たら購入するつもりだ」「今は自分に合う商品を探している」などと述べられていた。6名全員が新規だった。ゆえに6名へ名刺を渡している。今月の新規への名刺配布は31枚。今月中のリピート数は7名。その7名中6名は成約済み。
例2:
本日は成約1件。お客様は40代男性。他社の価格に納得ができず来店。品質比較および価格に納得いただけた。本日の接客数7名。そのうち自社ユーザー数3名。検討段階3名。3名は価格について情報収集されており、家族会議後に再来店の予定。電話番号を入手できたので、○日までに再来店が無ければ営業電話の予定。
※これはあくまで例です。
わざとたくさんの文章を並べておりますが、上司が求めている内容を推測して、それに合うように書いていくだけです。そして、とにかく主語と述語を近づけて、1文を短くすることです。主語と述語が近づいていると、内容が理解しやすくなります。
主語・・・赤
述語・・・青
- 私は京都を愛している。
- 日本食の伝統美を研究する私は、旅先のどの旅館でもなんてことない朝食のお漬け物の中にまで主張しない美を提供してくる京都という土地を愛さずにはいられない。
どちらもざっくりとした意味は変わりません。上で充分です。また、主語と述語が離れていると、何が言いたいのか理解するまで時間がかかりますね。したがいまして、主語と述語を近づけて、文を短くすることが報告書を書くコツになります。
以上が、「評価が上がる日報、週報、月次報告書の具体的な書き方のコツ」になります。
もしかしたら、この記事はあなたの会社が求めている報告書の書き方に対応できないかもしれません。なぜなら、会社や上司によっては報告書に対する考え方が様々だからです。それゆえに、ぜひあなたの上司が求めている視点に沿いながら、うまく報告書をまとめてみてください。
ちなみに、余談ですが、私の昔の上司は「自己分析」を求めてきました。それを報告するように厳しく言われました。反対に、私が営業マネージャーだったときは「営業結果」「その理由」を簡単に書いてもらうだけにしていました。細かいことは部下だった方々と昼食をとっているときやお酒の席で直接ヒアリングをして ”アドバイス” として指導していました。いろいろな環境があると思います。
この記事があなたの報告書作成の参考になれれば嬉しく思います。ぜひ、あなたの報告書がどんどんと評価されますことを陰ながらではございますが心より願っております。
一二 三四朗(ヒフ ミシロウ)でした。
ありがとうございました。
(もしこの記事が少しでも刺激になりましたら、いつでも読み返せるようにブックマークをお忘れないように気をつけていただけたらと思います)。
追記:
最後に私からメッセージになります。
恐れ入りますが、少しだけ私の20代の頃の経験談を書かせていただきます。
実は、私はこのようなブログを書いておりますが、営業をはじめてた当初(20代前半)、まったく売ることができませんでした(その当時のことも少し書いてあるプロフィールはこちらです)。
したがいまして、その当時、30代の男性上司からからかわれていました。
「お前の商談姿はペコペコ腰が低いなw お客様に言葉に反応してるその姿がフラワーロック(音に反応するサングラスをかけたひまわりのおもちゃ)みたいだなw」。
なんてことを言われていました。ただ、売れない期間が続くことで、そのからかいが暴言に変わっていきました。毎日毎日「なぜできない!」「で、明日は何件売るんだ? もしそれが売れなかったらどうするんだお前」と、プレッシャーをかけられながら仕事をしておりました。(あなたもご経験あるかもしれませんね。いい思い出です。 笑)。私はそんな毎日がイヤで、この仕事をやめようとずっと思いながら仕事をしていました。
そんな時期のある日のことでした。本屋で当時ベストセラーだった「ユダヤ人大富豪の教え」が山づみしてあり、手にとる機会があったのです。「お金持ちはいいなぁ~、楽そうで(←とても失礼な考え方でした。笑)」。そう思いながらペラペラとページをめくっていました。
すると、そこに思いも寄らなかった「セールスの達人になる」という項目が書いてあるではないですか。私の集中は一気に高まりました。そしてその内容に目を通していくと「トップセールスをマネろ」「行動心理を学べ。セールスについてはお客は一定の行動をとることがわかっている」と書いてあったのです。
私はそこではじめて「心理学」がセールスに関係していることを知りました。そして私に足りない要素はこれだと直感が働きました(すでにそのときトップセールスをマネることはがんばって実践していましたので)。私は上司からガミガミ言われる毎日を変えたい気持ちと、その上司を見返したい気持ちから、心理学を勉強するようになりました。
すると、ウソのように本当に営業実績が良くなっていきました。(笑) 心理学を組み込んだセールストークに変えると、本当にお客様が心理学の本に書いてあるとおりの反応をされるようになったのです。私は嬉しくなり、さらに心理学のテクニックを覚え、使っていくようになりました(大切な心理学テクニックはこのブログでもご紹介しております。→メラビアンの法則、フットインザドア、ドアインザフェイスなど)。
そして、もう一つ驚いたのは上司の反応でした。私が売れるようになってくると彼はまったく何も言わなくなったのです。それよりも「今日も頼むなっ♪」と、信じられないくらいの手のひら返しな態度になったのです。(笑) 営業の世界って、そういう世界なんだと理解したのを覚えています。
気がつけば営業マネージャーができるようになっていました。そして部下にあたる方々の営業スキルを高めるために一生懸命取り組んでおりました。
そして、やはりそこでも真面目に心理学を学ばれたり、トップセールスである先輩や後輩のマネをできる営業マンの営業実績が伸びていくという現象を見てきました。
営業(販売)の仕事は、トップの方々をマネることと心理学を学ばれることで、本当に売るスキルが高まっていきます。もし、あなたが真剣に今よりもっと営業実績を出していきたいとお考えでしたら、心理学を学び、トップセールスのマネをしてみていただけたらと思います。
もしまだ会社から詳しく売るための心理学について教えてもらっていない方は、下記に書籍をご紹介しております。それぞれの課題に合わせて、参考にされてみてください。営業の仕事はとにかく営業実績を出し続けないと評価されない職種ですので(クビにはならないけど、プロスポーツ選手たちと似たような世界ですね)。
以上、長々と失礼いたしました。
新入社員様や新人販売員の方はぜひがんばってください! 陰ながらではございますが、心より応援しております。
・こちらが1冊でほぼほぼ消費者心理を学べてしまえます。私も購入して、とても満足したセールス専門書になります。
ここに書かれている知識を実践されることで、あなたが担当するお客様の頭の中を「買っておうかな」「よし、契約しよう!」のように、成約していただける方向へ導けるようになります。しかも、比較的楽にそれができるようになります。そしてライバル会社の製品に関心を向けていたお客様を自社製品にさりげなく向けさせることもできるようになります。それゆえに成約率がグンと高まりますので、あなたは社内でもトップクラスの売れる営業マンになれると思います。しかも1回だけトップの営業実績を出すだけではありません。あなたのやる気が下がらなければ、ずっと高い営業実績を出し続けることができるようになります(ただ、本を読まれるだけで実践されなかったり、現場で微調整をされなければさすがに効果は出ないですが。笑)。
ぜひ、1度、真剣に学びの時間をとってみてはいかがでしょうか。1回実践できるようになれれば、本当に一生使えるスキルになります。私も1度売れるようになってからは、同じことを15年以上使い続けて、いまだに楽に売ることができていますので。
※私や購入者様の感想はこちら
・こちらは、本物の売れる営業マンはどんな考え方をしているのかがわかる本です。著者はアメリカの普通の営業マンだったさえない男性です。しかし、その彼はセールスのみで億万長者になり、現在世界的なセールス界の重鎮になっておられます(著者はダン・ケネディ氏)。営業マンとして背筋がピンッ! と伸びる本です。
※私や購入者様の方々の感想はこちら
⇒⇒ 大富豪の仕事術
・こちらは「あなたの目標を最短かつ確実に達成させる方法」が学べます。
「なぜ私は目標を立てるのに、いつも達成させることができないのか……」と、悩まれたことのある方でしたら、今後はその悩みから解放されます。そして今までとはまったく違った目標の立て方、1日の時間の使い方になり、生活の質がガラリと変わっていくことになり、最短で目標を達成できるようになれます。
著者は年間700億円を稼ぐアメリカのビジネスマン。トランプ大統領がビジネスマン時代だったときも、ここに書かれているような時間の使い方をされていたようです(大富豪になるような優秀なビジネスマンの方々の行動は、やはり似ているのですね)。
※私や購入された方々の感想はこちら
⇒⇒ マル秘・人脈活用術
・新しいお客様を紹介してもらい続けるスキルを学べます。ここに書かれている本物のネットワーク構築スキルを実践することができれば、営業実績について悩まれることはなくなるのではないでしょうか。保険営業マンを中心とした、フルコミッション制度で活動されている方でしたら、知っておかれて損はない情報です。
※私や購入された方々の感想はこちら
あなたへの広告